『発達障害に生まれて(松永正訓著)』
『発達障害に生まれて(松永正訓著)』は、未読のまま、本棚にあった本。
先週紹介した『開業医の正体』の中で、題名が出て来たので、もしかしてと本棚を探してみた。同じ著者でした。
この本が深みを出しているのは、著者は医師である「私」であるものの、「母」から聞き取った話を、「母」の視線で、自閉症である勇太君のことと、「母」の心の動きを赤裸々に語られている部分。その「母」は、特別支援学級の教員資格を持っている、という背景もあります。
「障害」の「害」の文字を使う理由など、専門家のフィルターを通して語られているので、伝わり方が違います。
「子供は親を選んで生まれてくる」という話は、本当にその通りと思うしかありません。但し、教員資格を持っていることと、自分が親になることとは全く違う。母の気持ちの変化も、リアルに伝わります。
成年後見制度の話も、出てきました。
私の事務所でも、難病を持つ兄妹の後見人をお受けしています。我々のほうが年長になります。役所の手続きも、何種類もあって複雑。この本に書かれているように、「信頼できる後見人に出会えた」と、ご本人とお母様に思ってもらえる存在で、居続けないといけません。
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