読書・映画の話

2025年2月24日 (月)

『50代がうまくいく人の戦略書(藤井孝一著)』

Pxl_20250224_110303367 『50代がうまくいく人の戦略書(藤井孝一著)』は、新聞広告が目に入って、買ってみた本。

「STRATEGY9 仕事は、頼まれごとがあるうちが華」では、

『人生後半戦は、好きなことで勝負するよりも、「周囲の人からの求めに応じる」というスタンスにシフトすることをおすすめします』『成功している人たちは、人から頼まれたことを誠実に、全力で応えています。これが口コミでどんどん広がっていき…というケースが大半です』と書かれていました。

「好きなことを仕事に!」と言う人もいますが、そんな言葉に違和感を持っていた私には、「好きなことより、求められることを!」という考え方のほうが、すっきりします。

それと、本来の寿命と共に「健康寿命」という言葉はよく聞きますが、「貢献寿命」という言葉は、はじめて目にしました。

元々は『女性の品格』の著者である坂東眞理子さんが書かれていた考え方、ということですが、「要するに、健康寿命だけ延ばしても、社会とつながって社会に貢献できなければ、長生きの甲斐がないということです。(本書の表現のまま)」とあります。

確かに、ある年齢に達して、自分の引退を考える時が来たとして、その時に身体が元気なのであれば、物足りない日常になるのは確実。

日々、いろんなことに追われていると、しばらく休みたいとか、ちょっと仕事を減らしたいと思うのですが、おそらくは、そう思っているうちが花です。

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2025年2月 9日 (日)

ひたすら仕事をする時期があってもいいはず

Pxl_20250131_230536569-1『司法書士試験 仕事を辞めずに一発合格する方法(河島弥生著)』にあったくだり。「■量と質はどちらが大切か」から引用します。

「テキストを読むことに関して、大切なのは質より量だと思います。なぜならば、量を繰り返すことで、質が生まれるからです。私は本試験までにテキストを25周したのですが、回数を重ねれば重ねるほど読む質が確実に高まってきたなと感じていました」(以上引用です)

最近、いろいろなところで「質より量」という話を見聞きするようになりました。

私自身、司法書士の受験勉強に関しては、過去問や答練を繰り返し繰り返し読んで、問いを見ると、答えだけでなく、解説まで頭に浮かぶレベルまでやっていました。

勤務を始めた後、1年半は「抹消-移転-保存-設定」の不動産登記の案件を繰り返しました。今となっては、最初はいろんな業務が混ざる「ごった煮」事務所より、同じことを繰り返すことで、基礎を作れたと思っています。

今は、私自身の事務所の中で、「仕事の量」に恵まれています。同じことを何件もすることで、気付ける論点というのがある、ことを体感しています。

いわゆる働き方改革によって、残業時間の規制が厳しくなる。勤務時間を制限されると、量を経験できない。例えば、金融機関なんかでも、そんな話を聞きますが、特に若い時期。ひたすら仕事をする時があってもいいはずです。

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2025年2月 1日 (土)

「司法書士試験 仕事を辞めずに一発合格する方法(河島弥生著)」

Pxl_20250131_230536569 「司法書士試験 仕事を辞めずに一発合格する方法(河島弥生著)」は、どんなことが書いてあるのかな~と気になって、読んでみました。

私自身は、定職に就いていなかったのに、1回目の受験を落として、2回目で合格しています。

2回目の受験期直前6か月間は、早稲田セミナー(通学)と日本司法学院(通信)の答練を並行して受講して、結構ハードなメニューを課しました。答練がペースメーカーでした。

模擬試験で「全国で何位」というのは毎回気にしていたし、上位3位に入って「太字で名前を書かれたい」と真剣に思って、勉強していました。モチベーションを維持するには、そんなことくらいしかなかった。

この2点だけでも、本に書かれてあることとは、違います。

こんなことを書くと、負け惜しみになりますが、私自身は、受験生2年目にみっちりと勉強できたことが、司法書士人生の基礎になっています。

もちろん、受かったもの勝ちです。1回目で合格していたら、私はまだ23歳だったので、より選択肢が広がった可能性はあります。

一発合格した人と一緒に、仕事もしてきました。受験生とも仕事をしてきました。そんな中、「それ試験勉強でやったよ」という話は、私から吹っ掛けることが多かったです。

今でも、受験の本に戻ることあります。特に、日本司法学院の基本書です。

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2025年1月26日 (日)

『司法書士 法務アシスト読本』

Pxl_20250126_012028026『司法書士法務アシスト読本』は、司法書士業界に入る人、必読の書。

私自身、いつ買ったのか記憶がありませんが、2か所目の事務所から独立が決まっていた時点で、ボロボロになった状態で持っていました。

後任の人が決まったので、「これを読んでおいておくほうがいい」とお貸ししたところ、採用を決めた後に先生が断ってしまったので、本が戻って来なくなりました。

司法書士試験に合格した時は、何とも言えない達成感と自信を持っているので、「仕事もしていける」と思いがち。私もそうでした。

事務所の先生が、お友達の司法書士に紹介して下さった時、「まだまだこれからやな」と言われたのですが、「私も司法書士なのに、これからとは?!」と、内心腹を立てたものです。

今から思うと、「これから」の意味すら分かっていなかった。「分かってない」ことに気付いていないことほど、恐いことはありません。25歳頃のこと。

最初は誰しも、仕事を教えてもらわないと、やっていけません。ただ、自分で準備できることはやって仕事に入ろう、という気持ちくらいは、持っていました。

平成14年に発行された第4版は、付箋だらけ。ちなみに、第4版は『事務職員のための』と入っていますが、第8版・第9版では『司法書士』となっています。決して『アシスタントのための本』ではないです。

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2025年1月 4日 (土)

「人を遺すは上」は野村克也さんの名言

Pxl_20250102_233847105 亡野村克也さんは、「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上」という名言を残していますが、

私が独立前に勤めさせてもらった事務所からは、多くの司法書士が独立しています。

私が事務所を出た後も、少なくとも2人の司法書士を産んでいて、私ごときが評価できることではないですが、まさしく『人を遺すは上』の世界だったと、後から気付くことになります。

「司法書士は、派手な仕事ではありません」
「司法書士は、儲かるような仕事ではありません」

私がいる時も、そういう話を日々聞かされていたものです。今となっては、戒めとなる話ばかりです。

給料が安い?自分のやりたい仕事ができない?

若いうちは、そんなこと言う前に、与えれた環境で、精一杯やりなさい。若かった自分に、今なら自信を持って、そう言えます。

私も同じように、若い資格者を雇用して、どんどん独立していって欲しい、と考えていた時期もあります。しかし、これはNO.2になる資格者と同等の力量を持った人が、もうひとり事務所にいないと、現実問題として難しい。

事務所に開いた穴を、すぐに次の人が埋めてもらうのは難しい、ということが分かってからは、保守的に。

今は、できる人の代わりなんて、そういるものではない。長く勤めてもらえる事務所にしよう、と考えています。人を遺すことはできません。

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2025年1月 3日 (金)

『1万人の人生を見たベテラン弁護士が教える「運の良くなる生き方」』

Pxl_20250102_012209681ニュースレターで紹介した「おススメ本」です。弁護士西中務著。

弁護士さんが仕事の中で見聞きしてきたこと、自身で体験されたことを元に、人の言動と結果について、説かれています。

司法書士である私とは、環境が違うと思いますが、それでも私が普段考えていることと一致することが、多々ありました。

ということは、人の言動と結果の間には、何らかの相関関係があるのでしょう。

大きなキーワードは、「争わない」「恨まない」という部分。

司法書士の価値観として「争わない」は大事なところだと思っていますが、この本を弁護士さんが書かれていることに、意味があります。

私自身、運がかなり良い人間。危機一髪のところで、何とかピンチを抜け出す、ことを繰り返しています。

今も後見業務で、史上最大の難題を抱えていますが、

運が良くなる行いは、無意識に。運が悪くなるような行いはやらないようにと、心掛けたいと思います。

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2024年12月 1日 (日)

『失敗談 法律事務所の安定経営を目指して』(弁護士若松敏幸著)

Pxl_20241201_101918063 弁護士である著者が「安定経営を目指して」、平成8年から11年頃に取り組まれていた話。顧問契約を増やそうとされていた時期の話から、スタート。

顧問契約を押し売りして、値下げして、これは上手くいかないやり方だな~、嫌われるやり方だな~と思いましたが、若かった私が、この本を読んで、何を思ったのか、記録も記憶もありません。2000年の出版。いつ買ったのかも、記憶がない。

で、顧客を増やすために、著者は講義を受けられるのですが、
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【講師】お客さんを増やそうと思えば、「私は365日受け付けますよ」という、自分の態勢を作らなかったらだめです。
【著者】家庭も大事にしたい。プライベートも大事にしたいと言ったら、無理ですかね。
【講師】旅行に行きたかったら、勝手に行きなさい。なぜ俺が付いて行かないといけないのかと言うのです。
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このシーンも、私の感覚とは違います。
いくら仕事が忙しくても、家族に相手にされないとか。下手したら、家族が消えてしまった、なんていう事態も、容易に起こりえます。

家族あっての、お仕事。

タイトルが『失敗談』ですから、突っ込みどころがあっていいと思うのですが、あえて私の感覚と違う部分を抜き出させてもらって、

私はそう考えてやっています、ということが言いたくて、引用させてもらいました。

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2024年11月25日 (月)

『自分で会社を清算しました(幻冬舎)』

Pxl_20241125_081354758 会社の「解散から清算結了」の手続きの中には、登記上のことに限っても、いろんな論点があって、悩むことが多い手続き。

中でも、難しいのは、税理士さんが付かれていないケース。

清算事務報告書の数字で、なぜか司法書士が、あれこれ悩むことになります。

ところで、『自分で会社を清算しました』は、他の専門書とは異質で、経験者の話であれば面白いのかもと、買ってみました。複数の専門書を引用しながら、書かれています。

「専門家といえども法律の解釈を誤ることはあり得る。また、実務経験の長い専門家が執筆した文献は、現在有効でない古い知識に基づいて執筆されていることもあり得る。ひとつの文献のみに依拠しているとそういった誤りをその分野の専門家でない者が見つけるのは難しいが、複数の文献を読み比べれば専門家でなくても誤りに気付くことができるかもしれない」(本書のまま)

私が調べごとをする際も「これは正しいのか」という、自分のフィルターを通して見るようにしていますが、「経験の長い専門家」のほうが、疑われるのですね…。

この本の中では、清算結了の登記が終わった後に、印鑑の廃止届を法務局に出されていたり(→司法書士からすると、まさか。すでに登記簿が閉鎖されてるのに、わざわざ印鑑の廃止届とは、想像もできません)、清算結了後に銀行口座を解約して利息が発生したとされていたり(→それはありなのか)、専門家が書いた本だと、これは書かれないだろうな、という部分はありました。

◎リンク 堺市の司法書士吉田事務所コラム20「株式会社の解散から清算結了までの流れ」

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2024年11月24日 (日)

『移動する人はうまくいく(長倉顕太著)』

Pxl_20241124_101858608 『移動する人はうまくいく』ということは、旅行好きの私の人生はうまくいくのかな、と考えて、手に取った本。

移動することで、「人間が本来持っている感覚が蘇ってくる(本書の表現)」のであれば、旅行も含むのでしょうけど、著者は、それだけでなくて、住む場所や、働く場所も変えていくことで、いい人生になるのではないか、と書かれている気がします。

確かに、私も引っ越しを経験して。

結婚の時に買ったマンションは、景色が良くて、PLの花火の日は、誘わなくても誰かが遊びに来てくれて、この眺望は絶対に手放さないぞと思っていたものですが、事務所の近くに引っ越しして、眺望が見込めない中層階に住むことで、心身が落ち着きました。

こういうのも、動いてみないと、分からないことです。

「電車の中で移動しながら本を読む」というのも、好きなことです。家や事務所とは違う環境で、新しい情報を取り入れることで、インプットの効果が2倍になればいいな、と。

ただ、「会社員でいることがもはや最大のリスク(本書の表現)」「まずは独立開業しようと宣言しよう(本書の表現)」といった部分は、人には向き・不向きがあります。万人に当てはまることではないので、暴論のように見える部分もありました。

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2024年11月23日 (土)

「法律事務所をつくる!(ハードウェア&ノウハウ集積編)」

Pxl_20241123_093048377弁護士さんか書かれた「法律事務所をつくる!(スピリット&マネジメント編)」と並行して読んでいたのが、「法律事務所をつくる!(ハードウェア&ノウハウ集積編)」。

法律事務所の開業を支援する立場、コンサルされる業者さんの立場から書かれた本です。

私の場合、独立の時と1回目の引っ越しの時は、紹介で出会ったコクヨ系の備品屋さんのお世話になって、2回目3回目は、オフィス移転の専門業者さんのお世話になっています。

2回目と3回目の引っ越し時は、LANも複雑になり、「ただ荷物を運ぶだけ」では済まなくなったためです。

事務所の備品も、最初は、家庭用のものでも良さそうなところ、そこは「形から入る」で、事務所らしく。ワンルームマンションなのに、開業時に、備品代だけで44万円分も使っています。

司法書士は、「携帯電話とパソコンがあれば、自分の身ひとつでできる」スタイルも選択できますが、2か所の事務所勤めを経て、事務所構え、見栄えも大事。司法書士事務所というのは、こうあるものだ、というイメージを持っていたからだと思います。

無意識に持つイメージというのはとても大事で、他人を雇用する予定もなかった私が、今、4人の事務所を運営できているのは、形から整えて「こうありたい」というイメージを持っていたからではないか、と。しかし、それは後付けの理屈で、実際のところは、先のことを考える余裕なんてなかったです。

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