読書・映画の話

2023年9月17日 (日)

『ひとり税理士のギモンに答える128問128答』

20230917_204613079 『ひとり税理士のギモンに答える128問128答(税理士井ノ上陽一著)』

著者の本は何冊か読んでいます。税理士と司法書士。世界は違えど、司法書士にも参考にできます。

この本を読んでから、「情報発信」と書いていたツイッターの説明文を、「発信」と変えました。

「こんな事務所です」「こんな人間です」と書いてあるのを見て、そこに共感してきて下さる方とは、関係が上手くいきます。これは、繰り返し書いていることです。

さて、著者が「なんでひとり税理士なのか」というのは、今までの本も読んできて、本書でも繰り返し書かれています。本当に「あえて」と言えるのは、著者が実際に人を雇用されたことがあるから、だと思います。

雇ってみないと、雇った人の気持ちは分かりません。不動産も買ってみないと、買った人の気持ちは分かりません。

やったことがないことを、「私はやらない」と否定しても、説得力がありません。やってみて、それでも「あえてしない」という選択は、なかなかできないことです。

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2023年4月 2日 (日)

大量の仕事と大量の読書の並行

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債務整理が多かった時期も、やることは多かったものの、「若さ」という武器がありました。

金曜日の夕方に、スイッチを切るためのマッサージを受けて、土曜日は事務所の片付け。日曜日は事務所に行かず、家で過ごす。そのかわり、大量の本を読んでいました。仕事とは直接関係がない本です。

本を読むというのは、自分の知らないことを知れる、知らないということを知れる一番のツール。大量の仕事と読書を並行できたのは、今となっては貴重な財産です。

開業後も、AFP試験を受けて、CFP試験の受けて、そこまでは元気がありましたが、仕事と余暇との時間のバランスは崩れ、CFP試験は、6科目中5科目合格したところでストップ。

最近は、債務整理が多かった時とはまた違う、やることの多さ、書類の多さがあります。止めてもいけない、抱えすぎてもいけない、その狭間で日々過ごしています。

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2023年3月11日 (土)

『最強!大阪桐蔭高校吹奏楽部』

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サブタイトルは、「こんな吹奏楽部、見たことない!驚きと感動のドキュメンタリティ」となっています。

驚きました。華やかな舞台の裏には、「ここまで?」と思うくらい、厳しさがあります。

毎日、唱和されているという『心得』の中に、「1つ、根性なき者は去れ」というのがありました。「好き」や「憧れ」だけではやっていけない。本当に根性が必要な世界だと感じました。

本当は、どこの世界でも、そうであるはずですが、今は、少し厳しいことをすると「パワハラ」だと言われかねない、ややこしい世の中です。

それと、できる人たちは、若い時から自分たちで考えて、工夫してやっていく。先生に無茶振りされても、どうやったらできるかと考える。そうやって育ってきた人はきっと、大人になっても、自分で考えて物事作り上げていく人間になるのだろう、と思います。

この本が取り上げている学年は、いわゆる根尾世代。才能ある子どもたちが、厳しい世界で能力を磨かれていく現場を、少しだけ見ることができます。

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2023年1月15日 (日)

「勝負論(青木功著)」

20230115 「勝負論(青木功著)」から引用です。

『肉体的には20代の前半でピークを迎え、あとは下降していくのだけど、一方で数多くの試合や人生経験を積むことによって色んな部分が練られていき、やがて下降する体力と上昇する技と心が交差するあたりで最盛期を迎える。その最盛期をできるだけ長く保つことがスポーツの選手では求められる。』(以上引用終わり)

今から振り返ると、になりますが、私の体力的なピークは、33~34くらい。それまでは平気だったのに、しんどいなとか、引っ越ししたからかな、結婚したらからかな、という時期はありました。

最近は、無理しないように、意識的にセーブしながらお仕事してます。

古い事件記録を破棄していった時は、自分でやったことも「こんな量、どうやってやってたんだろ?」でしたが、かといって、今の自分が、34歳の司法書士であった自分に劣るとは思わない。でも、もしかしたら、34歳の自分は、自分のほうが上だと思うかもしれません(若い時の勢いと、知らない強さというのは、そういうもの)。

体力的なピークの時期は、ゴルフ選手と少なくとも10年はずれるという考えになりますが、「最盛期をいかに続けられるか」が大事なのは、司法書士も同じ。体力が弱る分、経験で補いながら、です。

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2023年1月14日 (土)

「たいへんです。すぐ来てください!」

20230114「施設長たいへんです、すぐ来てください!」(柴谷匡哉著)。

著者は、高齢者施設の運営者。社会福祉士やケアマネージャーの肩書に加えて、税理士、行政書士ともなっています。

介護現場であった出来事の紹介と共に、専門家としての解説もされているので、司法書士後見人の知識の補充にもなります。認知症にも種類があって、症状も違うと言われているため。

半分くらいの話は「あるある」です。私も普段見聞きしている話が混じっています。でも、半分は、体験以上の話でした。

後見人が「すぐ来てください」と言われるのは、救急搬送時か亡くなられた時くらいでしょうか。それでも「すぐと言われても…」と反応してしまうのですが、緊急の連絡が入るのは、ハプニングの中で、何件かのうち1件なんだろうと思っています。

私の関係者がスーパーで万引きしてしまったことがあります。その時は「もう来ないで」ではなく、スーパーの「職員が声掛けします」と言って下さって救われましたが、今後、セルフレジが広まると、高齢者のお会計が難しくなっていきます。

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2022年10月30日 (日)

『レジリエントに生きたい』

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「レジリエントに生きたい(古橋清二著)」

私が開業した平成14年当時。著者はクレサラ分野で第一人者だったので、当然名前は知っていますし、専門書も事務所にあります。だから、本が届くまで、タイトルが『レジェンドに生きたい』だと思い込んでいて、「確かにレジェンドだよな」と思っていたものです。

現役の司法書士が身近なことを綴った本、というだけでも興味を持てますが、余命宣告を受けられた後に出版された本。

身近な人にがんを告げていくシーン。
自分のことに置き換えて考えてみると、泣けてきました。

20年前、事務所と自宅を同じ建物に新築されて、仕事とプライベートの境界線が曖昧になった。その頃からがんは進行を早めたのではないかと書かれていて、そういう部分では、私も気を付けないといけない。「最後は自宅兼事務所かな」と想像している私の生き方にも、影響してきそうです。

「僕のことを誤解している司法書士が多い」「本当の得意分野は企業法務」と書かれながらも、途中からは、消費者金融の問題が原稿のほとんどになっています。

道なき道を進んできた先人たちの大変さを知らず、司法書士という資格を振りかざしてはいけない。自分が中堅の世代になって、そういうことも分かるようになります。

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2022年9月25日 (日)

「メガバンク銀行員 ぐだぐだ日記」

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「メガバンク銀行員 ぐだぐだ日記」(目黒冬弥著)

先日書いた「住宅営業マン ぺこぺこ日記」のシリーズ本です。

住宅営業マンの世界は、まだ想像できる部分があって、過酷だなと感じながらも、あり得る世界。しかし、この本に書かれている銀行の話は、過酷以上。あり得ないでしょう、と思う世界でした。

司法書士としては、仕事で接することが多い業界。個人的にお付き合いもあるので、大変さは何となく知っているつもりです。ノルマと成績。私に子供が居たら、「金融機関だけは止めておき」と言うでしょう。

""部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任""
『半沢直樹』で描かれていた銀行の世界もたいがいでしたが、それにしても。恐ろしい世界だなと思うしかないです。

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2022年9月19日 (月)

『発達障害「グレーゾーン」』

20220919 『発達障害「グレーゾーン」』(精神科医:岡田尊司著)

何か新しい発見があるのではないかと、何度かこの手の本を読んでいますが、毎度、途中で難しくなって、分からなくなってしまいます。

素人が簡単に分かる話ではないのでしょうけど、この本からは、発達障害には遺伝性の要素もあれば、家庭環境。子供の頃の不安定な両親の関係とか、養育環境に原因があることが、想像以上に多いんだ、という感想を持ちました。

家庭環境が子供に与える影響、という問題。

もっと世間に知られてもいいのではないか、という気がします。

この本では、複数の歴史上の人たちが、発達障害の特性を持っていたことも書かれています。士業にも「変わっている人」が多い、のも現実。私にも当てはまると思うことが多々、書かれていましたが、変わった部分、尖った特性を仕事に生かせるかどうか。生かせる環境に身を置けるかどうかは大きいです。

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2022年8月31日 (水)

京セラドーム大阪と稲盛和夫さん

20220831_1稲盛和夫さんが亡くなられたニュースが流れた時期に、京セラドーム大阪。巨人対ヤクルトです。

高い席は詰まっていましたが、上段席の空き方がひどい。こういうのも「コロナのせい」にするなかれ、です。

試合はまだ続いているので、テレビで続きを見る不思議な状態ですが、家に帰って本棚を見ると、本棚の一番右上。最前列に、稲盛さんの本『働き方』がありました。

何気に開いたページには、「ひたすら働き続けることを通して、心を練り上げた人間だけが持つ、人格の重みや揺るぎない存在感-そういうものに接するたびに、私は働くという行為の尊さに改めて思いを馳せるのです」という部分に、マーカーが引かれています。

平成21年に初めてブログで引用しているので、13年前。若くして、自分がその境地に達したと思って線を引いたのか、そうありたいと思って引いたのかは分かりませんが、今の自分からすると、そういう境地にいつか達したい。

稲盛さんの本は、家に何冊あるのか不明ですが、もう一度引っ張り出して読んでみましょう。

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2022年8月21日 (日)

『住宅営業マン ぺこぺこ日記』

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『住宅営業マンぺこぺこ日記』は、「タマゴホーム」住宅販売の営業マンの話。

ハウスメーカーの営業の方が大変なのは、何となく知っているつもりですが、想像以上の過酷さなのだろう、ということが分かります。ただ、この本でも書かれているように、どこのハウスメーカーも同じとは限らない、のだとは思います。

過酷にしているのが、目標という名のノルマ。

ノルマのためには、時にはお客さんを騙すような言動を取らないといけない。そして、結局はお客さんのクレームの電話に、営業マンの精神がやられてしまう、というサイクルです。

同僚の人は、せっかくの休日も行事に追われて過労死。著者も退職してしまいました。最後に携帯電話の電源を落とした時は、「そら、そうなるよな」と同情するしかありません。

横並びの住宅展示場で、はしごされながら業者選びをされるのも、大変でしょう。司法書士事務所の依頼者の方も、初回の相談時には、2つ3つと比べられている方はおられますが、理不尽な比較をされたり、値交渉をされるような例は、まずないです。

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