相続登記の期限が「3年」と言わず「1年」だったら
今年の4月に、「相続登記の義務化」が始まったのは、想像以上に影響が大きかった。
法務局の不動産登記の部署は、慢性的に処理が遅れています。不動産登記が「通常1週間」で完了していた常識が、崩れてしまいました。
法務局の現場は大変です。平日、遅い時間に「登記の完了通知」が来ることは珍しくなく、休日出勤も・・・といった話も聞いています。
そもそも、私が司法書士になったのは、実家の相続で親たちが揉めたためであり、ひと言で言えば、相続登記を放置していたためでした。相続登記までの期限が「3年」と言わず「1年」だったら、私は司法書士になっていないかもしれません。
平成29年に、私の祖母が亡くなった時に思ったのは、お葬式が終わって、法事で顔を合わせるのは、残された家族の関係づくりの時間であり、法事で会う機会を使って、みんなで話をしましょう、ということでした。
私自身は、相続登記の義務化を問わず、相続は早い目に解決しましょう、というスタンスです。猶予期間が3年では、間延びします。
過料に対する実際の運用は、令和9年4月1日以降にならないと分かりません。
「相続登記は早くしないと、ペナルティが来るよ」「だから相続登記を急ぎましょう」という周知の仕方は、下手すると『怖がらせ商法』です。実際の過料の運用が甘かったら、「やっぱり、やらなくていいじゃない?」となりそうなので、個人的には好みません。
| 固定リンク
「世の中の話」カテゴリの記事
•老後の生活に必要なのは「医療保険より貯蓄」(2025.01.12)•年賀状じまいが急速に進んでいる様子(2025.01.06)
•金融機関と融資先顧客のパワーバランス(2024.12.20)
•お墓と仏壇の話になるとぼんやりする【死後事務】(2024.12.18)
•CICの信用スコアを試してみた(2024.12.17)
「相続・遺産承継」カテゴリの記事
•空き家を売却した時の3,000万円控除の論点が続く【相続登記】(2025.01.09)•相続手続きに必要な住民票と世帯主の変更届(2025.01.07)
•令和6年「分野別取扱い件数」更新(2024.12.28)
•相続した空き家を売った時の3,000万円控除【相続手続き】(2024.12.11)
•相続登記の期限が「3年」と言わず「1年」だったら(2024.12.08)
「不動産登記」カテゴリの記事
•移記ミスの職権更正で受付番号の枝番処理【不動産登記】(2025.01.08)•「店内での不動産売買の手続きは禁止」の貼り紙【不動産登記】(2024.12.19)
•「売家」の看板を見付けてから【平成26年:3回目の事務所移転の記録】(2024.12.14)
•相続登記の期限が「3年」と言わず「1年」だったら(2024.12.08)
•登記完了後の登記簿謄本を法務局で受け取る理由(2024.11.18)
「司法書士の日常(令和6年)」カテゴリの記事
•年越しそばもおせちも三国ヶ丘で確保(2024.12.31)•体調の管理も全ては仕事のために(2024.12.30)
•令和6年「分野別取扱い件数」更新(2024.12.28)
•目先の利益より顧客(患者)のメリットを考える(2024.12.27)
•ホームページの『相談フォーム』復活(2024.12.26)