« 『登記簿図書館』は補助的に利用【不動産・商業登記】 | トップページ | 冷暖房代は節約せず快適に仕事を【事務所運営】 »

2023年12月17日 (日)

死因贈与契約をしている受贈者が先に亡くなったら?【死因贈与】

20231217_154030767

月額制で、大量の専門書を閲覧できる「リーガルライブラリー」を契約した話は、12月3日に書きました。

今回、「死因贈与契約をしている中、受贈者のほうが先に亡くなったら、死因贈与契約はどうなるのか」を調べたかったところ、キーワードで横断的に検索できる「リーガルライブラリー」が威力を発揮。

『第3版 家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務』では、「受遺者が贈与者の死亡前に死亡したときは、効力を生じない旨(民994条)は準用される(P466から引用)」とありますが、手元にある「初版」にはその記載自体がなさそう。

手元にある本が最新版とは限らないので、「本を持ってるから、データーで見る必要はない」という結論にはならない、ということです。

ちなみに、この本の記述だけでは不十分で、『我妻・有泉コンメンタール民法』では、「判例は(中略)民法994条を死因贈与に準用することを否定している(P1195)」と、真逆のことを書かれています。

「準用否定説と肯定説があって、準用肯定説が通説(『死因贈与の法律と実務』P64)」と、判決の概要も含めて、丁寧に説明されている書籍もあります。

死因贈与に限りません。1冊の専門書に書かれていることを鵜呑みにし、業務に取り込むのは不十分、という結論であればまだいいですが、「両説ある」ことを知っていないと、顧客に迷惑を掛けてしまいかねない、という部分は恐いところです。

◎コラム 堺市の司法書士吉田事務所コラム12「不動産の死因贈与は『公正証書』かつ『執行者の定めあり』で」

|

« 『登記簿図書館』は補助的に利用【不動産・商業登記】 | トップページ | 冷暖房代は節約せず快適に仕事を【事務所運営】 »

相続・遺産承継」カテゴリの記事

葬祭費の請求にまつわる論点いろいろ(2025.04.04)
亡くなられた時に後見人が考えること【成年後見】(2025.03.29)
「高額介護合算療育費・高額医療合算介護サービス費」の支給申請の案内が届く(2025.03.05)
空き家を売却した時の3,000万円控除の論点が続く【相続登記】(2025.01.09)
相続手続きに必要な住民票と世帯主の変更届(2025.01.07)

不動産登記」カテゴリの記事

歩行者天国「なんば」駅に初めて降りた(2025.04.10)
住民票は提出先によって必要な情報の範囲が違う(2025.04.02)
同じ金融機関で売買が2件連続【不動産登記】(2025.03.31)
専用フォームから「抵当権抹消登記」のご依頼続く【不動産登記】(2025.03.24)
「後見と他の仕事、どちらが多いんですか」(2025.03.21)

遺言・死後事務・遺言執行」カテゴリの記事

15日の年金が入る前に口座を止めてしまう場合(2025.04.14)
葬祭費の請求にまつわる論点いろいろ(2025.04.04)
裁判所の「死後事務」に対する評価は高くない【成年後見】(2025.03.30)
亡くなられた時に後見人が考えること【成年後見】(2025.03.29)
令和6年「分野別取扱い件数」更新(2024.12.28)

不動産の名義変更」カテゴリの記事

空き家を売却した時の3,000万円控除の論点が続く【相続登記】(2025.01.09)
不動産の財産分与と不動産取得税・贈与税【不動産登記】(2024.11.12)
書類の返却用にオリジナルの袋を準備中(2024.09.14)
不動産の固定資産評価額も4月1日から変更【不動産登記】(2024.04.01)
その案件ごとに「事務担当者」を置いています【事務所運営】(2024.03.26)

生前贈与」カテゴリの記事

「3.15確定申告の期限」と「3.16JRダイヤ改正」(2024.03.15)
死因贈与契約をしている受贈者が先に亡くなったら?【死因贈与】(2023.12.17)
相続時精算課税制度が改正されていた【生前贈与】(2023.06.11)
『わかりやすい相続税贈与税』で情報は網羅【生前贈与と相続手続き】(2021.09.11)
不動産の贈与を何年かに分けて行う理由【不動産登記】(2020.11.27)